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大日向マルシェのスープの季節

​Soup

「いのちのスープ」

赤ちゃんにもお年寄りにも、疲れ切ってしまった体にも

あたたかいスープは優しくて、ほっとできるあたたかい食事です。

自然の法則に則って日本の風土に合わせた食と生き方を説く料理家の辰巳芳子さんが闘病生活をおくるお父様のために工夫を凝らしてつくり続けたスープが、やがて「いのちのスープ」と呼ばれ、多くの人に知られるようになりました。

農が食を支え、人のいのちを支える食の重要さを「愛」に触れながら教えてくれます。

 

大日向マルシェでは、多くの方に、お野菜を買いにい行くことを目的としていただきたいので、食事の提供などの出店はありませんでした。

けれど、毎年寒くなる季節には、この企画の「いのちのスープ」だけは、大日向マルシェに参加の農家さんたちとご縁のある料理家やシェフの方たちの手によって、それぞれのいのちの スープとして用意していただいています。

野菜の育った畑を、野菜を育てた手をおもい、そして、スープを食べる人の幸せそうな顔を思い浮かべ料理してくれます。

寒空の下、スープを温める焚き火にあたって寄り添います。

私たちは、私たちの「いのちのスープ」で癒され、

心も体も温まるのを感じて過ごすのです。

人の生命のゆきつくところは

愛し愛され、一つになることを願い

それを表さずにはおられぬ仕組みを

生きるところにあると思います

 

人間の尊厳も自由も

互いに愛惜せねばならぬ根源も

ここに、見出されてなりません

 

これが、スープの湯気の向こうに見える実存的使命です。

 

(辰巳芳子著「あなたのために いのちを支えるスープ」より)

 

 

2016年10月

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