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第4話 「ちっちゃなおやまの農場」山口謙一郎さん



今回のインタビューは、ちっちゃなおやまの農場の山口謙一郎さんです。

山口さんは農家さんで、季節のお野菜の他、納豆、味噌、テンペなどもだしています。

大日向マルシェのスタートからのメンバーで、運営にも深く携わりイベント時、

マイクやプロジェクターを使用するときの頼れるメカ担当でもあります。



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―大阪で生まれた山口さんが、那須にたどり着くまでをざっくり教えてください。


大阪で中2まで、その後東京(世田谷区)で高校時代、大学は山形、社会人になって

京都→茨城→千葉→ベトナムと転勤を繰り返し、1999年39歳のときに那須に移住しました。


―那須を選んだ理由は?


アウトドアが好きで、那須には家族でよく遊びに来ていました。

いずれ自然の中で暮らしたいと考えていたとき、今住んでいる土地で村おこしの協力者を

募集していたのをきっかけに移住しました。


―それで農家に?


いえ、何をするか決めていなかったのですが、同時期に移住した仲間と養鶏、養豚にチャレンジ、その流れで農業が始まったんです。

食卓の上の物をどれだけ自作出来るか、やってみたくなりました。






―今現在どれくらい自給できているんですか?


味噌、納豆は100%、野菜は90%、米は知人の田んぼのお手伝いのお礼で100%自給できています。

全体としては食卓の5割かな。その他、醤油や油、パンやお菓子などの加工品も「顔の見える生産者」から購入しています。

自給と「顔の見える生産者」のメリットは、不要な添加物などが控えられ、安心なこと。これを大切にしています。






―納豆などの大豆加工品はどうやって始まったのですか?


移住して2年目だったかな、たまたま知り合った2人が大豆で何か作りたいと、納豆の実験中だったんです。

その話を飲み屋で聞いて意気投合!一緒に作ることになりました。



―移住後の「何でもやってみたい!」っていうエネルギーが湧き出る感覚、私にも覚えがあります。

そういうときに、今までの経験が役に立ったってことありますか?


サラリーマン時代のエンジニアの技術が生かされて、納豆の発酵室(はっこうむろ)を作りましたね。



―おおー!つながるんですね。


それから2011年の東日本大震災のときには、納豆に助けられました。

あの時、福島第一原子力発電所事故で、那須も放射能汚染で野菜を売ることができなくなりました。

でも納豆の方は冷蔵庫が倒れたくらいで大丈夫だった。その納豆の売上で収入をつなげることができたんです。






―そしてそのタイミングで大日向マルシェが誕生するんですね?


そう、あの時の辛い状態の農家さんたちをつなげて行こうとする、発起人の小山さんの姿は本当に

有り難くて有り難くて…それで一緒にマルシェを作っていくことになりました。


みんなもの凄いエネルギーだったんでしょうね。しかも15歳ずつ若かった!





―最後にお聞きしたいんですが、山口さんはミーティングの時に「ちょっといいですか?」ってよくブレーキをかけますよね?


え?そうだっけ?


―ええ!? あえてだと思っていたのだけど…

みんなの意見が一気にまとまる流れの時ほど、止めている印象があって。

その時は、どうして止めるんだろうと、少し戸惑っていました。

下り坂を気持ちよく自転車で駆け下りている途中で、急に止められるような感覚で。


でも今は、それがとても大事なことなんだと感じています。

大日向の中でも、その勢いのまま進んで、誰かを傷つけてしまったこともあったし。

だから今は、あえて“憎まれ役”を引き受けてくれていたのだと思うようになりました。



―なんだろうなぁ…

そもそもサラリーマン辞めてこの世界に入って、何でもやれる、何でもあり、だからこそあえて気をつけよう、少し慎重にっていう気持ちはあります。

座右の銘は「やらない後悔はしない」なんだけど、だからこそね。

  




あらゆることに前向き、面倒なことにこそチャレンジしてきた山口さん。

今またその真っただ中にあります。

自ら開墾して20年以上野菜を育ててきた畑を、大家さんにお返しすることになり

また新たな畑を開墾中。ユンボに乗り、チェーンソーで木を切り倒し、根を掘り上げ、

耕運機も使うけれど、最後は鍬で土と向き合うことに。

還暦過ぎた体には堪えるけど、無心になれることがまた良しとか。



山口さんの探求の冒険はつづきます。

つづきの話は大日向でご本人に聞いてくださいね。



文:梨本あぶらや 鈴木朝子

写真:ATELIER SO_MARU 金井翔平

編集:アトリエどんぐり 日向野真知子

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